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「完本 若き日の読書」で紹介されている本のレビュー【パート④】

池田先生の新刊『完本 若き日の読書』は、 皆さんもうご覧になりましたか?
本書は、かつてのロングセラー『若き日の読書』(1978年刊行)と『続 若き日の読書』(1993年刊行)を完全収録した「完本」として復刊したもので、大変ご好評をいただいている書籍です。

本年3月から『完本 若き日の読書』で掲載されている書籍を、毎月3点ずつ当オンラインショップでもご紹介しております!

今回は第4弾で『ロビンソン・クルーソー』『阿Q正伝』『学問のすすめ』の3点をレビューいたします。

1,『ロビンソン・クルーソー』

無人島サバイバル小説の金字塔。
20年ほど前に「キャスト・アウェイ」(主演トム・ハンクス)という無人島で何年もサバイバル生活する映画が上映されましたが、本作品も同じく人間の生きる意思の強さを見せつけるような内容です。
ロビンソンはサバイバル生活で、精神的に鍛えられるとともに、神への信仰心も深まっていく。
しかし、聖書に背いてはならないという信仰心と、生き抜くために罪悪を犯さなければならない現実との狭間に葛藤しつつ、ロビンソンは生存することを最優先します。
その生き方は、人間とは何か、社会とは何か、といった命題を問いかけられているようにも感じます。

戸田先生は厳然と言われた。
「宿命をどう扱うかによって、宗教の正邪がわかる。運命はない、すべて努力によって解決するのだ、という努力説もある。しかし、人間誰しもいかに努力しても、解決できない運命をもっているものだ。運命の根本を知らないで、今世だけの性格がつくりだすものと思っているのは誤りである。
人間は子どものときから、運命をどう解決していくかを考えているものだ。しかし、どうしても解決できないので、宗教に求める。だが、まちがった宗教は逆に宿命を悪い方向にもっていくように手伝っている。この小説でも、キリスト教の諦めの運命観によって、島の生活を諦めている。ここに幸福観をもたせようとしている」 ―完本若き日の読書P.184より

イギリスで300年前に生まれた冒険小説を「完本若き日の読書」と合わせて読むことをおススメします!

【書籍情報】

著者   | ダニエル・デフォー(訳:鈴木恵)
出版社  | 新潮社
版型   | 文庫
ページ数 | 485ページ

2,『阿Q正伝』

日雇いで暮らす「阿Q」という人間を通し、当時の中国社会を風刺的に描いた作品。辛亥革命の失敗点を痛烈に暴き、民族的決意を促し、文学史にその名を刻んだ代表作。ほかに、デビュー作の「狂人日記」、日本留学の思い出を描いた「藤野先生」、「孔乙己」「小さな事件」「故郷」「家鴨の喜劇」「孤独者」「眉間尺」を収録。

阿Qは30歳前後の農民だが、まず姓名がはっきりしない。姓が不明だから家系も原籍もわからない。また彼には土地も持ち家もない。村はずれの廟を定宿に、忙しいときの臨時雇いで糊口をしのいでいる。
このまったく「無名」の庶民を主人公として、魯迅は不滅の「庶民伝」を綴った。 ―完本若き日の読書P.333より

魯迅が容赦なくえぐり出すのは、性格は善なるも、その弱さ故に、さまざまな悲喜劇を演じながら破滅の淵を転がり落ちていく、悲しいまでにこっけいな、阿Qの姿である。傲慢、貪欲、暗愚、短慮、臆病、虚栄心、奴隷根性.....。それは、読む者には決して気分のよいものではない。あまりに醜悪だ、救いがなさすぎるという人もいるだろう。 ―完本若き日の読書P.335より

戸田先生がいつも教えられたのも、「人びとを愛せよ」「民衆を愛せよ」ということであった。一方、「指導者は民衆のために働け」とよく言われた。地位や権威で人を見下す人間には厳しい先生であった。庶民とともに生き、庶民を心から愛された先生であった。 ―完本若き日の読書P.338より

「学は光、無学は闇。知は力、無知は悲劇」という学生の頃学んだ池田先生の言葉を思いだした。
他人をバカにしたり、他所で起きていることは他人事だと思ったり、学ぶことが億劫になってしまう自分も阿Qなのではないだろうかと考えさせられたりもする。

【書籍情報】

著者   | 魯迅(訳:増田渉)
出版社  | 角川書店
版型   | 文庫
ページ数 | 234ページ

3,『学問のすすめ』

福沢が「学問のすすめ」を書いた目的は、その第三編に「一身独立して一国独立する」とあるように、新生日本を文明国として独立させるためである。彼はまた「慶應義塾」建学の根本に「独立自尊」の精神を置いた。国民の一人ひとりが「独立」の気風を確立していくところにこそ「一国独立」の基本があると主張したのである。
たしかに、一個の独立した人格のないところには「人間」としての信念・節義・識見もない。封建時代からの「長いものには巻かれよ」とか「寄らば大樹の陰」といった日本人の隷属根性を彼は徹底的に批判した。 ―完本若き日の読書P.249より

戸田先生もよく青年に語っておられた。
「君たちは大丈夫だろうな。『学問は東京に残し置きたり』なんて言い訳しても始まらないぞ。今の大学で、学生がせっせと講義をノートしているのは、マァこの類だ。
学会の教学では『御書』を身・口・意の三業をもって拝するのです。御文に『声仏事を為す』と仰せのように、仏法で学んだことは、どしどし口に出して話しなさい。そうすれば、やがて身につくものです」 ―完本若き日の読書P.244より

「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」という有名な出だし。
生まれは平等かもしれないけど、勉強は差がつくよ、だから学び続けなさい、という意味か?
本書の『学問』は社会の役に立ってこそ価値があるし、自分自身が生活していく上で役にたつ、という部分に共感しつつ、池田先生の「英知を磨くは何のため君よそれを忘るるな」との指針を改めて胸に刻みたいと思った。

【書籍情報】

著者   | 福沢諭吉
出版社  | 岩波書店
版型   | 文庫
ページ数 | 210ページ

4, まとめ

いかがでしたか?

今回ご紹介した書籍は、どれも1冊本なので比較的手に取りやすいのでは?
雨が多い季節に、是非古今東西の知に触れてみてはいかがでしょうか?
また『完本若き日の読書』と併せて読むことで、より深く、幅広い視野で精読することができますので、未読の方はあわせてご購入されることをおススメします!!

本キャンペーンの書籍は数量限定となりますので、ご購入を希望の方はお早めにお求めください!

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